企業における時刻同期の必要性|時刻のズレが招く課題と活用事例を解説

時刻同期の仕組みや活用事例から、なぜ正確な時刻が求められるのかをご紹介します。
業務記録やシステムログ、監査対応、トラブル発生時の原因調査などにおいて、見落とされがちなのが「時刻のズレ」です。
システムごとに記録されるログ情報の時刻がずれていると、記録の前後関係を正しく確認できず、障害やインシデントの経緯を把握しにくくなる場合があります。さらに、記録情報の信頼性、証跡管理の面でも課題が生じます。
こうした問題を防ぐうえで重要なのが、複数の機器やシステムの時刻を正確に揃える「時刻同期」です。
本記事では、時刻同期の仕組みと活用事例をもとに、企業で正確な時刻が求められる理由と、導入を検討すべき背景について解説します。
1. 時刻同期とは
■ 企業における時刻同期の必要性
時刻同期とは、ネットワーク上にある複数の機器の時刻を、基準となる正確な時刻に揃える仕組みのことです。
サーバーやPC、ネットワーク機器などの各種システムには、それぞれ内部時計が搭載されています。しかし、内部時計は時間の経過とともに少しずつずれることがあります。
企業では、業務システム、ネットワーク機器、防犯カメラ、入退室管理システム、電話設備、製造設備など、多くの機器やシステムが連携して運用されています。これらの機器の時刻が異なる状態のまま運用されると、いつ、どの機器で、どのような処理や操作が行われたのかを正確に把握しにくくなります。
その結果、次のような問題が発生する可能性があります。
・正確な時刻に基づいたシステム運用が難しい
・ログの時系列が一致しない
・システム間で処理の前後関係を判断しにくい
特に近年では、セキュリティ対策や内部監査の観点からログの正確性が求められています。時刻同期は、システム運用、障害対応、監査対応、セキュリティ対策、データ活用など、さまざまな業務を支える重要な仕組みといえます。
サイバーセキュリティ対策強化に向けて、JC-STAR(IoT製品のセキュリティ適合性評価制度)やSCS評価制度(サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度)などの取り組みも進んでおり、システムログや証跡情報の信頼性はこれまで以上に重要になっています。
■ 主な時刻同期の仕組みと方法
時刻同期では、基準となる時刻情報をもとに、ネットワーク上の機器やシステムの時刻を揃えます。多くの場合、NTP(Network Time Protocol)と呼ばれる通信プロトコルを利用して時刻同期を行います。
代表的な方法として、公開NTPサーバーを利用する方法、社内に時刻同期専用のNTPサーバーやGPSタイムサーバーを設置する方法があります。
接続できるネットワーク環境やシステム機器の種類、求められる時刻精度、運用負担などを踏まえて、自社に合った時刻同期の方法を選ぶことが重要です。
● 公開NTPサーバー
インターネット上の公開NTPサーバーを利用して、システム機器の時刻を自動で補正する方法です。インターネット環境があれば比較的コストを抑えて導入できる一方、外部ネットワークへの接続が必要となるため、社内のセキュリティポリシーやネットワーク構成によっては利用できない場合もあります。
● 専用NTPサーバー
社内ネットワーク内に専用のNTPサーバーやタイムサーバーを設置し、各機器へ基準となる時刻情報を配信する方法です。外部ネットワークに接続しにくいクローズドネットワークでも、セキュリティ性に配慮しながら時刻同期を行えます。同時処理能力や冗長性など、必要な機能や構成によって導入コストは変わります。
● GPSタイムサーバー
GPSやQZSS(みちびき)から取得した時刻情報を、時刻ソースとして利用する方法です。専用NTPサーバーと同様に、外部の公開NTPサーバーへ接続しにくいクローズドネットワークでも時刻同期を行えます。衛星から時刻情報を取得するため、時刻情報の取得に利用料はかからず、ランニングコストを抑えられる点も特長です。
2. 時刻同期による主な効果
■ 情報の記録やシステム運用の精度向上

受発注や決済などの取引履歴において、時刻情報は重要な記録の一つです。正確なタイムスタンプを残すことで、取引や処理の発生時刻を確認しやすくなり、記録の正確性向上につながります。
また、放送設備や電話設備などを業務時刻に合わせて運用している場合、時刻同期によって案内や切り替えのタイミングを適切に保ちやすくなります。正確な時刻に基づいたシステム運用を行うことで、日々の業務を安定して運用しやすくなります。
■ 正確なログ情報による原因調査の効率化

システム障害やセキュリティインシデントが発生した際には、各種システムに記録された複数のログを照合しながら、発生時刻や影響範囲、原因を確認する必要があります。
時刻同期によって各機器の時刻を揃えておくことで、実際にいつ、どの処理や操作が行われたのかを確認しやすくなります。ログの前後関係を確認しやすくなるため、障害やインシデント発生時の原因調査を効率的に進めやすくなります。
■ 監査・内部統制における証跡の信頼性向上

企業では、業務システムの操作ログ、アクセスログ、通話記録、入退室記録など、さまざまな記録が監査対応や内部統制時の証跡として利用されます。特に、複数のシステムや機器の記録を照合する場面では、時刻の整合性が重要です。
時刻同期により、いつ、誰が、どのような操作や対応を行ったのかを、正確な時刻情報として記録できるようになります。
■ 複数システム間のデータ活用促進

各種システムのログデータを連携・分析する際、時刻情報はデータ同士を紐づける重要な要素となります。
例えば、生産管理システムや設備ログ、作業記録などのデータを時系列で組み合わせることで、より高精度な分析につなげることができます。これにより、最適化・コスト低減・品質向上などの工程改善に活用しやすくなります。
3. 時刻同期の主な活用事例
■ 防犯カメラ・入退室管理

防犯カメラや入退室管理システムは、施設の安全確保や利用履歴の記録において重要な役割を担っています。複数のカメラや機器の時刻が一致していないと、映像と入退室ログの照合に時間がかかり、発生した事象の前後関係を正確に把握しにくくなります。
時刻同期によって各機器の時刻を揃えておくことで、映像とログの照合がしやすくなり、記録情報の信頼性を高めることができます。
■ 業務システム・ログ管理

業務システムやサーバー、ネットワーク機器では、アクセスログや操作ログなど、さまざまな記録が日常的に蓄積されています。複数のシステムに記録されたログの時刻が揃っていない場合、どの操作がどのタイミングで行われたのかを正確に追うことが難しくなります。
時刻同期によって各システムの時刻を統一することで、ログの前後関係を把握しやすくなり、ログ管理や監査対応を効率的に行えるようになります。
■ 生産ライン・設備管理

製造業の生産ラインや設備管理では、各装置やシステムから取得される稼働データやログをもとに、トラブル対応や品質管理が行われています。設備異常や生産トラブルが発生した際には、複数の設備ログや作業記録を照合しながら原因を特定する必要があります。
機器ごとの時刻を同期することで、トラブル発生前後の状況を時系列で正しく把握でき、原因特定や復旧作業を進めやすくなります。また、トレーサビリティの観点でも、時刻の整合性は重要な要素となります。
4. タカコムのGPSタイムサーバのご紹介
こうした時刻同期の課題に対応する手段として、専用のタイムサーバーの導入が有効です。
タカコムでは、用途や設置環境に応じて選べるGPSタイムサーバの2つのモデル「TSG-100」「TSG-M10」を提供しています。GPSやQZSS(みちびき)を時刻ソースとし、クローズドネットワーク環境でも安定した時刻同期を実現します。コンパクト設計で導入しやすく、必要な機能に絞ることでコストを抑えながら、企業の時刻同期基盤の構築を支援します。
アンテナ内蔵型、工事不要で導入が容易
GPSタイムサーバ TSG-100
GPS受信アンテナと本体の一体構造でアンテナ工事が不要、テナントビルなど工事が難しい場所でも導入できます。また、壁掛け・据置に対応しており、設置スペースを取りません。
PoE対応でLANケーブルからの給電もでき、電源の確保も容易です。
SNMP監視機能を搭載、最大150種類のトラップ/ポーリングによる監視が可能です。
ネットワーク機器の異常時には、本体LEDとアラーム音でお知らせします。また、回転灯などの外部機器との連携も可能です。

設置環境を問わず柔軟にタイムサーバーを導入可能
GPSタイムサーバ TSG-M10
本体はキャビネットBOXにも収納できる小型設計、アンテナは保護等級「IP55」の防雨・防塵に優れた屋外仕様で、屋外の防犯カメラへの使用に最適です。
電源はPoE、DC12V(端子接続)、AC100V(電源アダプタ/別売)に対応。
GPSアンテナのケーブルは別途配線により600mまで延長でき、幅広い設置環境に対応できます。

製品の詳細や導入に関するご相談など、下記よりお問い合わせください。
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